ニッチツ(学校編) 5/5
短い文章ではあるが、碑文にはこの小中学校の歴史が凝集されていた。
ここには子供たちと先生と、そして村の営みが確かにあった。
記念碑はそのことを私にそっと教えてくれたような気がした。
それは形として残る校舎からだけでは見逃してしまいがちなことである。
「お元気で
さようなら」
そして、ありがとう
卒業生でもないのに、「思い入れのある場所は?」と聞かれたら
ここを挙げてしまうほどこの学校のことが好きである。
確かに廃墟ではあるのだけれども、
私にとってはそれ以上のものが詰まっているような場所。
いろいろと廃墟を巡っていて、ここに出会えたことに本当に感謝している。